こんにちは。ギャラリーかんかん本店です。
今日は、ただいま下北沢で企画展を開催中の
ガーナの「アサフォの旗」をご紹介したいと思います。
旗に隠された意味・・・ |
以前お話したとおり、アサフォの旗とは
ガーナ・ファンティ族がヨーロッパの軍隊に影響され、
自分たちの軍団ひとつひとつを判別するために
シンボルとなる旗をつくりだしたのがはじまりです。
「ASAFO」と呼ばれる「自警集団」は
ファンティー族の住む各町、各村にいくつも存在します。
隣国の強力なアシャンティ王国には団結して対抗しましたが、
グループ同士でライバル意識をもち、ときには小競り合いが起こることも・・・・
なのでシンボルとなる旗にも「俺たちのグループが最強」という
どちらかというと他のグループを威嚇するようなモチーフも多いのです。
94,500円 148×102cm 黒いニワトリ。美しいです。 |
29,400円 147×108cm 銃を構えて進む人。 |
よく見るとNo.1 No.2とアップリケされていますが、これは地域ごとのグループの通し番号のようなもの。
番号順に優劣はなく、No.6、No.7の旗ももちろん自分たちが一番強いと表します。
それにしても、ほんとうにこれが軍旗なの?と疑いたくなるような
ゆる~いアップリケの数々・・・・
29,400円 153×100cm |
じつは勇ましい意味が込められているのでしょうか・・・
(敵を驚かすような甲高い声で鳴くことから
"味方の守護"をするという鳥のモチーフがあるようですが、
この旗もその類なのかもと予想しています・・・)
ちなみに左上のガーナの国旗が使われるようになったのは
1957年のガーナ独立後のこと。
それまでは強さの象徴としてイギリスのユニオンジャックが使われていました。
赤い人物は黒人を表すそうです。
94,500円 150×103cm |
「象だけが椰子の木を倒すことができる」
「めんどりがひよこたちを踏みつけたとしても
それは傷つけるためではなく守るため」
たしかに、描かれています。
それにしても、かわいいです。
旗はすべて鏡合わせになるように両面に丁寧にアップリケがほどこされています。
94,500円 146×101cm |
こちらは歴史を表すもの。
「Kwesie Inkoom」と「Essiein Koomah」とは
この旗の制作を依頼した将校2人の名前です。
黒い人物が王様のイスに座っていますね。
強大なパワーを連想させるシンボルです。
文字による歴史記録がなかったファンティの文化では、
古くから口頭で伝わることわざ・格言、そして民族の共有する図象は
日本人の私たちが考えるよりずっと大事なもののようです。
現在でも、アサフォの旗は大きな祭や儀式で、地域集団のアイデンティティーを示す
重要なシンボルとしてつかわれています。
ちなみにアサフォの聖堂posudanもなんかかわいいです。 |
なんだか長々と書いてしまいましたが
まだまだご紹介したい旗がたくさんありますので
ぜひ一度見にいらしてくださいね。
企画展は11月4日(月)まで開催です。
ギャラリーかんかん本店