皆さまこんにちは。
本日は12月の特集に掲載しているネパールの民具についてご紹介します。
(特集の全ラインアップは前回のブログをご覧ください。)
まずは木彫りのミルクポットから。
ミルクを一時的に保管したり、大きなポットに移したりするときに使用します。
全面に彫り模様が入っていてとても美しい民具。
トカゲは虫を食べることから、
ミルクに虫が入るのを防ぐ守護の象徴として彫られているといいます。
後ろから見ると両手足を伸ばしてポットに張り付いているように見えますね。
以前から「取っ手の形が面白いな…」と思っていたのですが、
形の由来を知ることで更にこの民具への愛着が湧いてしまいました。
ネパールでは、生活に欠かせないミルクや
それを攪拌して作るバター(オイル)がとても重要なものだと考えられています。
これらに関わる生活の道具も大切なものだったのでしょう。
次にご紹介するのはミルクを攪拌するときに使う
グルロ(グルラとも)という民具です。
参考画像 https://archive.nepaljapan.com |
上のお写真はテキという木製のポットにミルクを入れて、
プロペラ状の突起がついた棒(マダニといいます)をまわして
バターミルクとバターオイルを作っている様子です。
ポットから伸びている棒の上部に垂直に設置されている
白っぽい木のパーツがグルロです。
リーフレット掲載番№24のa、b 各 ¥25,000(税込み¥27,500) 左a W8×D5.5×H26cm 右b W7×D6×H29.5cm |
攪拌棒(マダニ)を支えるだけの用途なので、
グルロではなく単に縄を通して代用することもありますし、
もっとシンプルで彫刻のないものもあるようです。
しかし今回私が皆さんにご紹介したかったのは、
「家」と「縄」と「テキ(ミルクポット)」が彫られた
この2つのグルロ。
左側のグルロは裏返すと家の後ろにテキ(ミルクポット)が彫られています。
テキ(ミルクポット)はミルクに関わる民具の中でも
特に神聖なものだと考えれれており、
魚や肉を食べた手で触れたり
他の食器と一緒に洗ったりすることはないそうです。
ネパールの切手の絵柄になっていたこともあり、
人々の暮らしを象徴する重要な民具であることが伺えます。
いずれも使い込まれて艶々になったグルロ、
是非ギャラリー店頭でお手に取ってご覧いただきたいお品物です。
特集は12月23日(土)まで開催中。
沢山の方にお会いできるのを楽しみにしております。
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