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2020年3月6日金曜日

霊布・グリンシン

 こんにちは。
 ずっと毎日、新型コロナウィルスのニュースばかり…
 今日は、皆様の身体とともに心の安らぎを願い、ぜひこの布をご紹介したいと思います。

 インドネシア共和国、バリ。
 島で、古からのヒンドゥー教の教えに基づいた生活を守るバリ・アガの人びとが住む村のひとつ、トゥガナン。その村だけで織られる 『グリンシン と呼ばれる絣は、世界にも少ない、縦糸も緯糸も両方を染め抜き、緻密に柄を合わせるダブルイカット経緯絣です。
 グリンは「疾病・厄災、シン無い」。〝無病息災〟がそのまま名前になっています。

①23×118㎝ \60,000-(ブログ掲載番号20-4)
(サイズは房部分は含んでおりません)
市松は、バリヒンドゥーでは魔除け・浄化を願う文様。
白黒の市松の布は、バリでよくみかけます。


 木綿の糸を島の北部から取り寄せ、糸を張り、括り、染料で幾度となく染め、緻密に柄をあわせ手織りする。
 真っ赤に染め上げるには数年から8年にも及び、長い長い気の遠くなるような時間を費やされて織り上げられます。時には10年を超えることも…。

②42×142㎝ \85,000-(ブログ掲載番号20-5)

 村には、ヒンドゥーの神インドラが
 このダブルイカットの技法を人びとに教えた、との言い伝えがあります。
 神に祈りを捧げながら織るグリンシン。その時間が長いほど 強い霊力を持つとされるのです。
 村のお祭りや儀礼のとき、人びとは敬いと願いを込めてグリンシンを身に纏い 正装します。女達の胸にも しっかりグリンシンが巻き付けられます。
これはまた、純粋なバリ・アガである証でもあるのです。
 神への供物としても、病気の治癒を願う呪術にも用いられます。

③42×149㎝ \90,000-(ブログ掲載番号20-6)

 藍・茜・ククイナッツなど植物染料を使います。赤は茜。黒は藍に茜が重ねられます。
染め出された赤・白・黒は、ヒンドゥー教の3神を示すようです。
 現れる独特の文様は一見 幾何学的なのですが、寺院・城壁・家・ワヤン人形。
草木・花・果実。蠍や馬・・・自然の動植物、さらには山・星などなど。
 その視点は、手の中に納まる身近なものから 天高くまで及ぶのです。

④43×146㎝ \85,000-(ブログ掲載番号20-7)

 広げられたグリンシンをじっと見つめていると、
季節を感じ取り ほころぶ花々の喜びや、無限なる宇宙のエネルギーをも感じられ、
見飽きることがありません。
 なんだか、気持ちも 穏やかに広がっていくようです。


 こんな素晴らしいグリンシンを
ぜひ ご覧くださいませ。



ギャラリーかんかん本店 Ⅿ
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