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2019年2月26日火曜日

「芹沢圭介の収集」とアフリカの仮面

多くのお客様がご来場くださったカンタ展も終了し、
店内は次の特集展示までアフリカンアートの賑わいが戻ってきました。
新聞やネットで情報をみつけてカンタを見にお越し下さった皆様、
本当にありがとうございました。

ご売約いただいたカンタはそれぞれのお客様のもとへ旅立ちましたが、
暫くの間は少し縮小したインドコーナーでいくつか展示しております。
期間中ご覧になれなかった方は是非お立ち寄りください!


さて、今回は素敵な美術館とアフリカの仮面について。

ギャラリーかんかんのブワ仮面と
クバ族の赤いアップリケ

静岡市立芹沢圭介美術館では、今年の3月24日まで
「芹沢圭介の収集」-世界の仮面と衣裳-という企画展を開催されています。

アフリカをはじめ、アジアや南北アメリカなど様々な地域から集まった
貴重なコレクションが150点も展示されるときいて、拝見して参りました。


美術館の所蔵品は撮影ができませんが、
ギャラリーかんかん本店にある仮面やテキスタイルを撮影してご紹介致します。


美術館のチラシ表裏





















型絵染の人間国宝である芹沢圭介さんは世界の工芸品の収集家でもあり、
気に入った民族衣装は自分のお誕生日などに着ることもあったそうです。


ギャラリーかんかん本店の
バウレ族仮面¥48,000+tax
ディダ族スカート¥90,000+tax














チラシの裏面中央に掲載されたのはバウレ族の仮面とディダ族のスカート。
ラフィヤ椰子の繊維を編んで作られたスカートは
黄色や橙に美しく染め上げられています。


展示の中では
コートジボワールのダン族が徒競争の際に使用する仮面(グニュゲ)や、
割礼を受ける少年たちの世話役が使用する仮面(デアン・グレ)、
ハウサ族やバミレケ族の衣装などが次々と登場し、
芹沢さんがアフリカの民族や伝統文化へ高い関心を寄せていたことが伺えました。

ギャラリーにも美術館で拝見した仮面がございましたのでご覧下さい。
かんかんのグニュゲは目を縁取っていた金属が外れて、あどけない印象のお顔です。


ダン族 仮面
¥28,000+tax






















金属が貼ってあった接着面の跡。





















仮面を付けるのは徒競争の前回勝者で、
挑戦者は勝者よりも数メートル先の地点からスタートします。

この数メートルのハンデの距離を追い越し、
見事先にゴールできれば仮面をつけた前回勝者の連勝。
観衆もなかなか盛り上がりそうなルールですね!


目の縁取り金属が残っているグニュゲ
¥90,000+tax










































顎には鈴が付いています。
挑戦者は背後からこの音が迫ってくるのを聞きながら必死に走ったことでしょう。

植物を編んで髪に見立てた凛々しい仮面





















ダン族にはこんなユニークな仮面も……
¥58,000+tax

























今回の「芹沢圭介の収集」では
日本の仮面や伝統的な衣装も展示されており、
刺子と裂き織りの美しさは溜息のでる想いで眺めてしまいました。


書籍「芹沢圭介コレクション」より日本の刺子



















布の補強の為に細かく糸を入れることから始まった日本の刺子は、
東北地方を中心に古くから様々な地域で伝えられてきた技法の一つ。

また裂き織りは使い古した布を裂いて、新たな布を織る際の横糸として利用する
生地の無駄を一切なくした織物です。

かんかんには日本の古い衣裳がございませんが、
裂き織の羽織や刺子のバッグがございましたので少しだけご紹介します。


裂き織の羽織・ワンピース¥16,000+tax
一つ一つ色や模様が異なります

タイの刺子バッグ¥9,800+tax
裂き織のバッグ¥6,500+tax


この他にもアジアの細かなビーズ細工の民族衣装や、
アフリカの狩人用の衣裳、日本の木製仮面などを間近に見ることのできる
「芹沢圭介の収集」-世界の仮面と衣裳-。

登呂遺跡と併設されており
晴れた日に訪れると気持ちがよいのでおすすめです。




ギャラリーかんかん本店 K
世田谷区代田1-47-1
TEL: 03-5486-3122
mail: honten@kankan.co.jp

2019年2月11日月曜日

ジェンネの壷からの贈りもの

昨年末にマリ共和国ジェンネ地方の壷を店頭に出しました。
大きくてどっしりとしています。
表面には泥染めの布にも見られるような幾何学模様が描かれています。

直径41cm 高さ55cm 
(120,000円税別)






































アフリカの壷は水瓶として使われたり、
穀物や香辛料、薬草、そして貴重品やおまじないの道具など、
さまざまなものを入れておく容器として使われました。
民族によって形態や模様が異なり、
壷は見ごたえのあるアフリカンアートの一つです。

さて、このジェンネの壷の中を見ると
何やら乾燥した可愛らしい花が入っていました。








突然「ビサップ」という言葉が思い浮かんできました。
これはアフリカで飲んだことのある「ビサップジュース」のアレじゃないかと。

調べてみるとビサップとはハイビスカスのことで、
ビサップジュースは乾燥させたハイビスカスの花を砂糖とともに煮出して作る
赤くて甘酸っぱいジュース、アフリカ各国で飲まれているようです。

どう見てもこれはハイビスカスの花にしか見えなくなってきました。
もうこれはハイビスカスにまちがいありません!
ジェンネの壷の中に大切に保管されていたのですね。

この壷がいつ頃作られて、このハイビスカスがいつ頃収穫されて、
それがいつ頃日本にやってきたのかは定かではありませんが、
春になったら花の中に入っていた種を植えてみようと思います。
もし発芽したらまたご報告しますね。


***「カンタ展」開催中です***
    まだご覧になられていない方はぜひ!
    2月20日(水)までです。


ギャラリーかんかん本店 F
世田谷区代田1-47-1
TEL: 03-5486-3122
mail: honten@kankan.co.jp

2019年2月1日金曜日

インドの手仕事「カンタ展」

みなさまこんにちは。
本店で開催中の企画展示のご紹介です。


【カンタ展】
場所:ギャラリーかんかん本店
日時:2019年1月25日(金)~2月20日(水)
    平日 11:00~19:00
    土日祝 11:00~18:30


インドの西ベンガル地方やバングラディッシュで古くから作られてきた
民衆の刺し子布である「カンタ」を集めて展示しています。

思わず笑顔になってしまう可愛らしい図柄

39枚のオールドカンタをギャラリーいっぱいに展示



古い衣類を解いて何枚も重ねて刺子し、
新たな布に生まれ変わらせる「カンタ」。

赤ん坊のおくるみや婚礼の持参品、ベッドカバーなど
様々な用途に使われた為、大きさや厚みもそれぞれ異なります。

動物や草花、生活道具などの模様が色とりどりに刺繍され、
自由でのびのびとした雰囲気の漂う布もあれば、
どこか風格のあるみっちりと規則正しい刺子布も。




白い余白部分まで細かく刺してあるため
少し離れて眺めてみるとさざ波のような凹凸が浮かび上がります。

不規則な波の連続が一針一針手で刺した時間を思わせ、
気が遠くなってしまいそう。

布を送る相手への優しさと、
完成までに費やした長い時間が凝縮された作品の数々です。


展示品を掲載した冊子 ¥1,000+tax



企画展に合わせてカンタやインドに関連する商品もご用意しておりますので、
是非お手にとってご覧下さい。

シルクの刺繍ショールやティーマットのセットなど

木箱やレリーフなどインドの一点物

展示品のカンタは全て販売しております。

既にご売約いただいたものもございますが、
お電話でのお問い合わせなど随時受け付けておりますので
ギャラリーかんかん本店までご連絡くださいませ。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。


ギャラリーかんかん本店 K
世田谷区代田1-47-1
TEL: 03-5486-3122
mail: honten@kankan.co.jp